しかし、生産量は最初の10年間で目標の原毛3000トンから150トンに縮小し、更に悪いことに、アジアのカシミアとは比べ物にならないほど品質が劣っていました。オーストラリアと言う温暖な気候と豊か過ぎる牧草が高品質の産毛を持つヤギの育成に適していなかったのです。状況を更に悪化しこの計画の進展を妨げたのは、羊毛のとり方でした。アジアでは昔からヤギの毛を梳いて収穫するのに対し、オーストラリアでは当初から今に至るまで毛を刈りとるのです。
中国のカシミアでは梳いて得られた毛の総体に混ざる太めの毛の量は30〜50%、一方オーストラリアの刈りとられた毛では全体の80〜85%が太めの毛。つまり重さの割に生産量が少なく、しかもコストも高くなるという訳です。カシミアヤギを飼育しようと言う試みはあちこちで行なわれました。1990年代の初めにはCNR(イタリア研究センター)との協力でイタリアのヴァルテッリーナでも試みがなされました。 |